投稿日 2023年4月15日 | 最終更新 2023年4月24日
やけくそ海上@yakekuso_ins「ご栄転おめでとうございます」閑職への異動が発令され、紋切り型の社交辞令を社内ですれ会う人から数えきれないほど投げつけられた。十数年にわたる激務の代償として掴んだ企画部門の課長のポストは、あっけないほど掌からすり抜けた。4月から窓際部署に島流しされることになる。
2023/04/02 21:21:25
#陰湿金融文学
2年間率いた本社の企画部門での成果は上々だったと自負している。役員や部長の理不尽な要求に課一丸となって対応し、自主目標もほとんどクリアした。同期初の部長昇格を意識すらしていただけに、異動は青天の霹靂だった。心当たりもなく、ボンクラ人事のミスではないかという疑念が拭い去れない。
— やけくそ海上 (@yakekuso_ins) April 2, 2023
次席を務めた課長代理の加藤が、課長に昇格する。落ち込む俺に破顔一笑、「課長、ご栄転おめでとうございます」と口角を上げて挨拶してきたのを一生忘れないだろう。加藤には目をかけ、毎日終電ギリギリまで居酒屋に連れていき、俺の社会人経験を基にした仕事論を教え込んだ恩を忘れたのか。
— やけくそ海上 (@yakekuso_ins) April 2, 2023
加藤といえばこういうこともあった。「第一子の出産に伴って半年育休を取りたい」と言うものだから、今後のキャリアを考えて仕事に専念するよう個室に呼びつけて説得したのだった。男は仕事に生きてなんぼ。結果的に加藤は課長に昇進することができたし、俺の持論は間違っていなかった。
— やけくそ海上 (@yakekuso_ins) April 2, 2023
課の紅一点、三上にしたって俺へのリスペクトが足りていない。お茶くみやお酌、コピー用紙補充といった「女性らしい」業務を口が酸っぱくなるほど指導してやった。メイクや服装が微妙な時は適切なアドバイスをしたし、逆にアイシャドウの色やシャンプーの香りの変化にも言及するように心がけた。
— やけくそ海上 (@yakekuso_ins) April 2, 2023
新人の高橋にいたっては、次に課長になる加藤にしっぽを振ってばかりで俺のことは眼中にないようにすら見える。「新人の視点からすると…」などと一丁前に意見を述べようとしやがった。「俺は寛容だからいいけど、そういうのは部長や役員に嫌われるからやめとけ」と教育してあげたのに。
— やけくそ海上 (@yakekuso_ins) April 2, 2023
入社1年目は定年まで勤めあげる40年間のうち、基礎体力をつける重要な時期だ。知識は後からでも付けられるが、習慣は容易に変わらない。高橋のためを思って、仕事の役割を一切与えず、会議室の予約やZoom会議設定、資料のホッチキス止め、社内ファイルの並べ替えなどの基本動作を教え込んだ。
— やけくそ海上 (@yakekuso_ins) April 2, 2023
誰よりも会社や部下のことを考えていた俺が不条理に左遷される理由はわからない。高橋はワークライフバランスを重視し、働き方改革を進めると初心表明で述べていた。そんな砂糖をまぶしたような考えで課の規律を保ち、運営することはできない。泥船の行方を高みから見物しようと思う。(了
— やけくそ海上 (@yakekuso_ins) April 2, 2023
最後所信表明したのは高橋ではなく、加藤ですね
— やけくそ海上 (@yakekuso_ins) April 2, 2023
何だかんだ言って数字じゃないですかね…
— みこ (@miko0042) April 2, 2023