投稿日 2023年1月12日 | 最終更新 2023年4月11日
こーじせんせ|不動産クラスタ新聞編集長@kkkooojjjyyyマンション営業の天敵といっても過言ではない独身一人暮らし女性。特に一人娘(箱入り娘)ともなると父親ストップなど様々な要因で契約が流れたりする。今回は約15年前、僕が新築マンション販売をしていた時の話。新規エリアのマンション用地を開拓するための市場調査を行い、ずらりと並ぶ役員を前に
2022/11/13 12:10:54
プレゼンし社の命運をにぎる用地取得を決定する企画本部という花形部署に異動になって半年、つくばエクスプレス開通に伴いバカ売れしたつくば研究学園駅前マンションの甘い汁をもう一回吸おうと仕込んだ2棟目の100戸超え大型マンションが大きくこけた。そして「完売するまで応援にいってくれ」と僕に
— こーじせんせ|不動産クラスタ新聞編集長 (@kkkooojjjyyy) November 13, 2022
白羽の矢がたった。逆栄転。職場が八重洲から守谷に。寒冷地手当が水戸でとまっているなんてあり得ないんだよな、などとチームリーダーの愚痴をきかされながらモデルルームの案内方法や応酬話法などの説明をうけ、早速1年ぶりの営業をすることになった。在庫物件なのでひたすら過去客に連絡し「特別
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在庫処分セールです。過去来場者様限定、お急ぎください」と無味乾燥な電話を続ける日々に飽き、必ずしも人が多いとはいえない守谷駅のエスカレーター下でモデル来場特典をはさんだティッシュを配ることにした。過去にティッシュからの来場はほぼゼロだったので全く期待していなかったが、配り終えて
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モデルに帰ろうとしていた夜8時頃に後輩から「女性のお客様がさっきティッシュもらった、見せてほしい、と来場されましたよ」と連絡がきた。誰がとってくれてたのか全然覚えていなかったがモデルにもどると確かにさっき笑顔で受け取ってくれた感じのよいショートカットの女性だった。1階のFタイプを
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見たいとのこと。この面積を選ぶということは1人で住むのかなと推測した。案内をしながらヒアリングをしていくうちに半分当たって半分違っていた。どうやら婚約者がいて、家を契約してから結婚するとのことだった。お金は10割、牧場を経営している父親からの援助。絵に書いたような勝ち組の女性を目に
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して「これからの新生活が楽しみですね」などと伝えクロージングに入ろうとした時、父親が今の彼氏との結婚を反対していることを暴露された。弊社のマンションを契約したい理由のひとつである高い玄関ドアは身長195センチの彼氏のためでだった。自称ネット会社の社長である彼氏の収入はゼロ。現在は
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ホームページの立ち上げ中らしく、彼女からお金を借りている。彼女もワーゲンのローンは自分で払っているのでそんなに余裕はないのに。2回目の来場で彼を連れてきた。玄関の高さだけを確認し「俺はこだわりないからどれでもいいよ」と。そのくせ完成物件なのに新たにオプションを入れろだのぶつぶつ
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言ってくる始末。これは父親の反対もうなづける。そんなこんなで1ヶ月、父の承認を得てとうとうようやく契約をすることに。契約に関する説明を父のいる実家でしてほしいとのことではじめて彼すら訪れたことのない牧場に向かう。契約の説明中、父は終始無言だった。娘に押し切られてなくなく
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許したのが想像できる。契約日時を決め「では失礼します」と牧場を出たあとタタタッと足跡がきこえた。「ちょっと歩きませんか」
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「実はお別れしようと思ってて」
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僕は耳を疑ったが確かにそう聞こえた。まずい。ということは...
「あ、心配しないでください、マンションは契約しますよ(笑)」
心の中を覗かれ恥ずかしさをごまかすように「それはありがたいですが、なぜ?」と聞き返した。
「将来のことを真剣に考えようって
話をしたら「俺は今の段階で支えるなんて軽々しいことはいえない、でも幸せにする自信はある」って。それをきいたとき、スッと心がひいたんです。あー。これはその場しのぎでいってるなって。父には契約した後に伝えるつもり。
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在庫物件かつ現金なので契約から引渡しまでは間もなかった。事務的に引き渡しを終えた数日後、雅さん(契約者)から電話がなった。室内で何か不具合でもあったのかな?と恐る恐るでると、
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「あの、今度ウチに来ませんか?プチ引渡し祝いしましょ」
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その2ヶ月後、僕は転勤した。
もちろん何もなかったです、転勤してから半年くらいはお手紙が届いてましたがフェードアウトしました。
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これが一目惚れってやつですかね。
— newMa (@newMa19728001) November 13, 2022