投稿日 2023年5月27日 | 最終更新 2023年5月27日
アイルランドの法人税の税率について
アイルランドは、1957年から外資系企業に対する法人税が免除されています1。そのため、多くの外資系企業がアイルランドに本社を置いています。また、アイルランドは、欧州連合(EU)内で最も低い法人税率である12.5%を採用しており、多くの企業がアイルランドに進出しています2。ただし、2021年10月には、OECD枠組みにおいて最低法人税率15%に合意したため、今後は変化する可能性があります3。
外資ITの日本法人の真の業績はこういう官報を見てもほとんど何も分かりません。これは多くの外資系ITが「コストプラス方式」という売上計上をとっているからです。1/6https://t.co/5Gbj8C4oNd
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 25, 2023
日本人がAdobeにお金を払っても、請求書はアイルランド法人から送られてきます。日本人がAdobeに払うお金は日本法人であるアドビ株式会社の売上にはなっておらず、Adobeアイルランド法人の売上になっています。2/6 pic.twitter.com/PVaLisQRGY
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 25, 2023
ではアドビ日本法人の売上は何かというと、会計上は「USやアイルランドのAdobeが開発しているソフトウェアの日本における販売業務の委託を受け、その業務委託の対価を海外Adobeから払ってもらう」という形を取ります。アドビ株式会社の売上のほぼ全額は、海外のAdobeから払われる業務委託費です 3/6
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 25, 2023
ではその業務委託費用はいくらかというと、日本法人アドビ株式会社で発生しているコスト(家賃と人件費でほぼ全額)に、少し日本法人の利益を上乗せした金額となります。ここで継続して赤字にすると国税から刺されるので、多くの場合は「少し利益がでて法人を納めている」という体裁をとります 4/6
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 25, 2023
「日本法人にかかっているコストの総額に若干(5%程度)の利益をプラスした金額を日本法人の売上にする」ので、これを俗にコストプラス方式と呼びます。外資系企業の会計をやっている会計士の人なら大抵このことは知っています 5/6https://t.co/odFl8aSKvH
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 25, 2023
この方式により日本の高い法人税を圧縮できるメリットがあります。もちろん実際には日本事業が赤字であっても会計上は黒字にして法人税を納めるので、外資側が損する場合もあります。また近年は、日本の売上は日本で計上、という方式に切り替える外資も増えています 6/6https://t.co/ylkjJd8I7x
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 25, 2023
移転価格税制をふまえ日本の税務当局に刺されない最低限の利益しか立たないようにしてる
— おマンションOL🍄 (@piyopiyoshukipi) May 25, 2023
リスク機能分析に的に日本で事業リスク負担もIPもないので結果的にコストプラス方式で収まっている外資でも日本で在庫や事業リスクがあったりIPもってたらコストプラス方式では移転価格で刺されて死ぬ
という話? https://t.co/fURhV8n9me
外資を呼び込んで雇用が増えても税収(法人税)は期待出来ないよね。逆に輸入品売り上げても付加価値=人件費は海外だし。 https://t.co/tJuILe5Efv
— ヤス And Yet It Moves (@Y_AndYetItMoves) May 26, 2023
シンガポールに本社(笑)作って日本の法人はコレで会計したら節税になるってこと? https://t.co/y959nhs16w
— ねぎしょ (@negisyon) May 26, 2023
なるほど、アレのことをコストプラス方式というのか。
— どみにをん525 (@Dominion525) May 25, 2023
概念はすごくよくわかるんだけど、そういう名前で呼ばれるのがわかって嬉しい。 https://t.co/rgO7mlgTzx
「なんでそこ?」って国の海外法人と契約させられるのは知ってたけど、こういうカラクリだったのか。 https://t.co/ktp4Ky1NBr
— MORI Daisuke (@MORIDaisukePub) May 25, 2023
決算公告の必要がない合同会社でも、外資ITならほとんど同じと考えてよろしいですか
— Vilaihak 🍥 (@ykawa28) May 26, 2023
そうですね、外資IT(ソフトウェア)の合同会社の立ち上げも2回やりましたが、会計は両方ともコストプラスでした。
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 26, 2023
物理的な在庫を抱えるようなモデルだとまた違うのかも知れません。
これは外資だけでなく日系も同じですねぇ。トヨタアメリカの利益なんてめちゃくちゃ低いはずです
— ダニエル米国勤務@カリフォルニア西海岸在住🇺🇸 (@Danielsocally) May 25, 2023
トヨタの北米の利益率の低さはテクニカルな会計方法の問題なのでしょうか?こういう記事が出るので本当に事業としての採算性が低いのかなーと思っておりましたhttps://t.co/VewHvYGsoO
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 26, 2023
ホントに低いのかもしれないですね。私が言いたかったのは管理会計上の利益率と実際に海外子会社に残す利益は全然違うと言う事です。管理会計的に大赤字でもキャッシュ残さないと給与払えないので財務会計的には利益があるように見えるケースがあるので、公の数字は正しいかわからん、って事です
— ダニエル米国勤務@カリフォルニア西海岸在住🇺🇸 (@Danielsocally) May 26, 2023
現地法人の利益をいくら現地課税対象として計上するかは税務当局との交渉で決まる場合が多いですね、現地でしっかり雇用創出してたりすると割引となるケースも、、大抵は同一業種同一国籍の既存現法を雛形にして決まるようです。
— ダミー in 🇭🇰 (@Ii1R0d) May 27, 2023
bs1期みても分からないな
— htaniguc (@htaniguc1) May 25, 2023
グローバル・タックス管理。低税率だけどOECDかつEUのアイルランド法人から請求されるのが肝。
— 減らず口 (@yagisakistation) May 26, 2023
「日本の高い法人税を圧縮」は移転価格的にはアウトかと(笑)。
— カヤバ公認会計士/シンガポール専門家/国際税務/税理士/経営心理士 (@Gen_Kayaba) May 27, 2023
引用されてる中田先生の記事でもコストプラスダメ&追徴課税、という内容ですが、外資ソフトウェアの日本販社だとTNMMよりコストプラスが一般的なんですかね。移転価格の実務は全然詳しくないのでよく分からんです。 https://t.co/UyzsJK5FPZ
>外資ソフトウェアの日本販社だと
— デカ猫 (@GipI0dWNY7T73UE) May 27, 2023
>コストプラスが一般的なんですかね
私がカントリーマネージャをしてた日本法人は本社のポリシーで日本で売上、納税もしてましたが、同業者はコストプラスでやってるとこ多かったですよ、特に問題になってなかったようですが(実は監査でやられてたかも知れないが)…
なるほど、意外とコストプラスも一般的なんですね。ありがとうございます!
— カヤバ公認会計士/シンガポール専門家/国際税務/税理士/経営心理士 (@Gen_Kayaba) May 27, 2023
立ち上げ初期はコストプラス(本来赤字で法人税納税しなくても良い会社が法人税を収める方向:税務署は歓迎)で、ある程度大きくなると日本事業を別法人に移して日本での売上、納税する方向に変えるかと(ソフトライセンス事業限定)。ただ、大きくなってもコストプラスで続けるとこも普通にありますね…
— デカ猫 (@GipI0dWNY7T73UE) May 27, 2023
なるほどなるほど。とっても参考になります。本当はコストプラスって、コールセンターやバックオフィスのようなコストセンター会社の売上で使われると思うのですが、確かに販社であっても立ち上げは赤字なのでコストプラスで納税ポジションに持っていくというのは実務としてありそうですね(笑)。
— カヤバ公認会計士/シンガポール専門家/国際税務/税理士/経営心理士 (@Gen_Kayaba) May 27, 2023
この記事にあるようにGoogleもFacebookも日本はコストプラスで(少なくとも記事時点までは)運用していますし、その時のGoogleやFacebookの日本市場の売上は1,000億円規模です。2023年5月現在も日本人がGoogle製品を買えば(法人税12.5%の)アイルランドから請求書がきますhttps://t.co/odFl8aSKvH
— 海外営業マン (@supremeeigo) May 27, 2023