投稿日 2022年6月14日 | 最終更新 2023年4月11日
銀座交番@ginza_police何者にもなれなかった自分。みじめかもしれません。だけど、もう少し東京にいようと思います。僕は今でもやっぱり理由も無く惹かれてます。でも思うんですよね。理由なんてそこら中に転がっているって。だからとりあえず、軽い気持ちで、東京に。 #東京男子図鑑
2022/06/13 22:10:57
生まれは岩手県の久慈というところでした。一時期"あまちゃん"で話題になりましたが、本当に周りには何もない町です。自転車で30分かけていくイオンとカラオケBOXだけが、学生の遊ぶ場所でした。まあ友達が少なかった私には関係のない話なのですが。
— 銀座交番 (@ginza_police) June 13, 2022両親は県庁職員の父と地銀勤務の母でした。小さい頃から「大きくなったら地元で公務員か銀行員になりなさい」と言われて育ちました。当時はそんな両親の言葉を疑うこともなく、社会人になったら地元に帰るのが当たり前だと思っていました。
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小学校の時、少し厳しい家庭だったので、ゲームは買ってもらえませんでした。放課後にたまに友達のユウタくんの家に行き、スマブラをしてたのを覚えています。その後、地元の公立中学に進学しました。天才と底辺が混在する、まさに社会の縮図のような場所。スポーツが出来なかった僕は昔から惨めでした
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一念発起し、地元のトップ公立高校(共学)に合格しました。けれどもモテないし、何も変わりませんでした。「こんなはずじゃない」と思いながら、制服で自転車に2人乗りで横を通る同級生を指をくわえて見ていました。漠然と「環境を変えたい、都会に出たい」そんな思いだけが強くなっていきました
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両親や担任からは「私立大学なんて勉強が出来ないやつが行くところだ」と言われました。このころから環境を変えたいと思っていた私は「慶應に行きたい」と両親に伝えたところ「私立に行くくらいなら岩手大のほうが良いだろ」と真顔で言われました。結局、3年間7科目を勉強し続けました。
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共学なのに彼女が出来ない3年間、みじめでした。必死に受験勉強を頑張り、前期は一橋を受験しましたがダメでした。早慶も全落ちしたので、中央法学部に入学しました。国立を受けずに3科目だけやれば早慶には入れたと今でも思っています。
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大学名を言う時は聞かれてもないのに「中央大学法学部です」と言い続ける4年間でした。実は法律学科ではなく、国際企業関係学科です。だけれど自分から言うことはありません。あんなに都会に憧れていたのに、大学の立地はほぼ山梨でした。冬には地元の岩手と同じ雪が積もります。
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多摩モノレール「中央大学・明星大学駅」の改札を出て右に曲がるか左に曲がるかで自尊心を維持していました。都心との交わりが無く、垢ぬけない国公立にいそうなJDと4年間を過ごしました。もちろん合コンには一度も行ったことはありませんでした。
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就活も苦戦しましたが、みずほ銀行とアビームから内定をもらいました。アクセンチュアはWebテで、UFJは豊洲ダンジョンで、SMBCはリク面で落とされました。結局、当時ネームバリューが高かったみずほ銀行にしました。「みずほらしくない人に会いたい」そんなキャッチフレーズにも惹かれました。
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大学生活、4年の夏にクラブデビューし、渋谷のATOMでRemixが流れる中、芋臭い地味なJDをナンパして、童貞を卒業しました。ホテルの入り方もわからなかったあの夏の日が懐かしいです。始発で帰る時、少し背筋が伸びた気がしました。
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結局、大学時代に親友は出来ませんでした。同級生を見下してたので仕方ないかもしれません。卒業旅行に一緒に行く友人もいませんでした。そんなこんなで大学4年間、特に思い出もなくあっという間に時は過ぎ去りました。
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みずほ銀行の初任店は神保町支店でした。山手線の内側に配属になったことを僻地配属の同期に自慢したら距離を置かれたのを覚えています。東京では合コンや飲みの場に顔を出すうちに、外銀やコンサルの知り合いが増え、薄い関係の友人も増えました。
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六本木のタワマンパーティーにも誘われることもありました。家主の仕事や経歴はわかりませんが、何かの社長をやっているらしいです。タワマン家主が毎回違う女性を泊まらせているのに憧れました。そのうちに、出入りするクラブが渋谷ATOMから西麻布Museに変わりました。
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家も芝浦の賃貸マンションに無理して住み始めました。みずほの給料だとここが限界でした。自宅とCicadaを乱用し、恋愛よりセックスの回数を追い求めました。ペアーズとTinderではえびすじゃっぷの動画を見て、印象を上げるために犬との写真を載せていました。
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女性の経験人数は増えましたが、満たされない生活が続きました。いつも他人と自分を比べてしまうからだと思います。ですが、いつかは何者かになれると信じていました。みずほ銀行では法人営業をしてたので、一丁前に「経営」をわかったつもりにもなっていました。
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初めてビズリーチを登録した際も"いつか起業したい"という欄にチェックを入れました。けれど経営企画・管理としてのオファーは1件も来ません。来るのはheyやマネフォ等の営業職種が大半。あとはよくわからないベンチャー社長を名乗る「BU●●●●●様へ特別にお送りしました!」というメッセージのみ。
— 銀座交番 (@ginza_police) June 13, 2022
今年で30歳になります。課長代理に昇格し、年収も上がりました。だけれど現実味も出てきました。いつかは起業し、何者かになれると持っていた過去の自分。今一度、現実を見つめる。僕はただの銀行員でしかない。もはや何にもなれない。
— 銀座交番 (@ginza_police) June 13, 2022
最近、親から「そろそろ岩手に戻ってこないか」と連絡がありました。どうやら父の具合もあまり良くないらしいです。今更帰るのも恥ずかしかったので「今の仕事にやりがい感じてるから」と思ってもいない理由をつけて断りました。ちなみに地元の同級生は全員結婚して、子供もいるそうです。
— 銀座交番 (@ginza_police) June 13, 2022
何者にもなれなかった自分。みじめかもしれません。だけど、もう少し東京にいようと思います。僕は今でもやっぱり理由も無く惹かれてます。でも思うんですよね。理由なんてそこら中に転がっているって。だからとりあえず、軽い気持ちで、東京に。 #東京男子図鑑
— 銀座交番 (@ginza_police) June 13, 2022
30で代理ならまぁまぁいいコース。
— わたぬき (@wtnk7772) June 13, 2022
支店長くらいにはなれそう…
ちょうどよい生殺しのような絶望感がとても素敵です。
— ともゆうまる (@ckskymzec) June 13, 2022
どうぞご無理のないペースで。
楽しみにしています。